「日の丸・君が代」強制反対・大阪ネット
コロナ禍でも生徒・教職員の命より「君が代」斉唱を優先する府教委
1月21日、大阪府教育員会は教育長名で、府立学校校長・准校長宛の「卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱について(通達)」を発出。今年度「卒業式については、国旗を掲揚し、新型コロナウィルス感染症対策を徹底する観点から、…国歌は起立により清聴することとする。ただし、十分な身体的距離の確保等の感染症対策を講じることが可能な場合においては、国歌は起立により斉唱することができることとする。教職員に対しては、学校での国歌の取扱いに対応した職務命令を行うこと」としています。
さらに関係府立学校教職員宛に、「式場内のすべての教職員は、国歌は起立して」清聴(斉唱)すること、と2種類の通達を発出。また別紙の「留意事項」で、「会場において卒業生・教職員の間隔を前後方向及び左右方向ともに2m(最低1m)確保できる場合においては、上記によらず、国歌や校歌の斉唱、卒業の歌等の合唱 等(多人数が発声をする場面)を行うことができる。」と指示しています。
現在、東京・大阪をはじめとして新型コロナウィルス感染の拡大・緊急事態宣言の中で、飛沫感染を避けるために授業等でも歌唱をしないことを文科省においても指示しています。こうした状況下で多くの自治体では「国歌清聴」や場合によっては国歌そのものの実施もしなくてもよいとの対応を取っています。
当会はこれまでも、卒・入学式等での「君が代」起立・斉唱の強制は、思想・良心の自由を侵すものであり、教職員への職務命令や懲戒処分に反対してきました。まして、現在の感染の危険性に対して最大限の配慮をすべき時に、あえて校長や現場に責任を押し付ける形で「斉唱」の選択をせまることは、およそ学校での安全、生徒・教職員の命と健康を守るべき教育委員会としてあり得ない通知・指示であり、ただちに撤回することを要求するものです。
〔大阪ネット〕2/17府教委交渉(コロナ禍での6月入学式での「君が代」斉唱強制)〕
ア.現在のような感染の危険性の増大の中でも、「君が代」を斉唱することを卒業式の必須条件とするのか?
➡あくまで式は「君が代」斉唱が原則だが、今回はコロナ禍・緊急事態宣言下なので「斉唱」でなく「清聴」としている。
Q.府教委の指示では、換気のことがほとんど触れられていない〔「換気の徹底」(卒業式に係る留意事項)〕が、窓・出入り口等を全開しおくということになるのか?
A.個々には細かくは府教委としては指示せず、校長の判断で
Q.具体的な基準は示さず、責任は現場に押し付けているということになり、無責任
A.感染防止については、通常の授業時等で指示されていることと同様
Q.卒・入学式では体育館に500、600人が入る場合も想定される状態でのことであり、またそれも各校によって距離もどの位とれるかも差があり、通常の感染防止の基準だけでは十分かどうか判断できない
イ.「君が代」斉唱はしない等の生徒・教職員の感染の危険性を最大限避ける措置を取らないのはなぜか?
➡今回の卒業式では、「国歌や校歌、卒業の歌等は、原則として発声せず清聴とすること」(卒業式に係る留意事項)としている。しかし、支援学校では卒業の歌等を歌いたいとの声もあり、そうした場合は感染防止が可能なら歌うことも可とした
Q.現場では、卒業の歌を歌いたいとの希望がある場合がある時に、この通達・指示では、それなら「君が代」斉唱をせよとの受け止め方になる。一方で感染防止の具体的基準が示されないので、未だに詳細を決められない現場がある。
A.あくまで原則は清聴、そのうえで歌の実施もできることとの通達・指示である
Q.現場ではそう受け取られていない。校長にそのような説明はしたのか?
A.校長会で説明はした。
Q.ではそれについては、情報公開で確認したいが、事前・事後の報告書(「清聴」 実施かどうか等)はされているのか。
A.事前に報告は受けており、校長から「斉唱」等の相談があれば答えている。事後の報告書はこれまでと同じもの。
Q.それでは「斉唱」の場合に感染対策が十分かどうかは、相談がなければ現場まかせになると言わざるをえない。
ウ.感染への危険性を感じて授業や式に出席しないという意向を持つ生徒・保護者については、府教委としては出席を指導する等のかたちで強要をせず、明らかな虚偽の申し出でない限り、欠席としないとの対応をすべきと考えるが、そういう認識はあるのか?
➡校長の判断で出席停止とする(欠席としない)ことができる。
Q.文科省のQ&Aでもそう記載されているが、「斉唱」での感染への恐れから式に参加できないのは、その権利を奪うもの。本人・保護者の不安があれば、校長の判断にかかわらず、原則として、認めるべき。教職員が感染不安からの不参加申し出があればどう対応するのか。
A.教職員については、人事課の判断である。