大阪ネット通信(21年7月30日号)
「日の丸・君が代」強制反対・大阪ネット
「表現の不自由展」かんさい成功!吉村府知事の開催妨害に抗議する 使用取消しの決定過程の「法務相談」等についての府の情報非開示を許さず、責任を明らかに
最高裁でも使用許可取消しは認められず、警官の配備と右翼の妨害行動の中でも、3日間を盛況のうちに終了。東京・名古屋での開催が十分できなくさせられる状況の中で、この大阪での成功は今後の不自由展のみならず、「表現の自由」という最も基本的な権利を守り、行使するうえで大きな意義を持つものといえると思います。
一方、この使用取消しの決定過程にかかわる文書等の情報公開に対して、大阪府は開示期限を2週間延ばしたうえで、そのうちの一部を部分公開とし、さらに府知事・担当課と弁護士との「法務相談結果」については非公開と決定。その理由は「現在、行政事件訴訟において係争中であることから、公にすることにより、府又は指定管理者の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に、かつ著しく害するおそれのあるものと認められる。(大阪府情報公開条例)第8条第1項第4号に該当」とのものです。第8条では、公開しないことができるものとして、第4項には「府の機関又は国等の機関が行う取締り、監督、立入検査、許可、認可、試験、入札、契約、交渉、渉外、争訟、調査研究、人事管理、企業経営等の事務に関する情報であって、公にすることにより、当該若しくは同種の事務の目的が達成できなくなり、又はこれらの事務の公正かつ適切な執行に著しい支障を及ぼすおそれのあるもの」と規定。府は訴訟は取り下げられているが、今後もありうるので云々としています。しかし自らの正当性を主張するのなら、むしろ堂々と公開すべきというのが当たり前です(余程不利なことがある?)。
今後、こうした対応を許さないためにも、事実経過を徹底して明らかにしていかなければならないと思います。
公開された部分だけを見ても、指定管理者の伺いに対して府の担当課は使用取消しは法的に難しいとしているにもかかわらず、吉村知事は取消しに備えての検討を指示しています。つまり吉村の主導で行われたことは明らかで、これらの事実の隠ぺいを許さず追及していきたいと思います。(以下、主催者からのお礼と報告を掲載)
みなさんからのご支援をいただきました「表現の不自由展かんさい」は7月16日から18日までの会期を無事に終えることができました。コロナ対策のため観覧時間を1時間に限定し、定員50人の総入替制でしたが3日間で1300人以上の方に見ていただくことができました。3日とも入場整理券を求める多くの方が並ばれ、最終日には8時過ぎには定員になるほどの盛況ぶりでした。わざわざ足を運んでいただきながらお断りせざるをえなかった方々にはほんとうに申し訳ありませんでした。会場周辺での街宣車やレイシストによる妨害、嫌がらせがありつつも、大阪でこの展示を成功裏におこなえたことは、今回の展覧会の成功のみならず、市民の自由な表現、言論を守っていくための大きな成果につながったのではないかと思います。あらためて皆様に深く感謝申し上げます。
〔予定〕ご参加・ご協力を
7/31(土) 「第3回東アジア領土教育研究集会」(13時半~エル709)
「北方領土に対する日本・ロシアの領土権」…史料による論証と教科書批判
・講演Ⅰ「史実による蝦夷地・北方領土をめぐる日本・ロシアの領有権の検証」(久保井規夫)
・講演Ⅱ「北方領土に関する中学教科書批判と学習指導のポイント」(黒田伊彦)
8/19(木) 奥野さん「不起立」減給処分人事委(10時半~咲州庁舎23階中会議室)
9/ 8(水)奥野さん「合理的配慮」無視の「君が代」処分撤回裁判(10時半~地裁809)
21(火)梅原さん再任用拒否国賠訴訟(11:15~大阪高裁202大法廷)
22(水)「君が代」調教NO!松田さん処分取消裁判(13時半~地裁)
27(月)松田さんコロナ在宅勤務不払い裁判(13時半~地裁809)
30(木)D-TaC総会・集会(夜エル予定)
※『ルポ「日の丸・君が代」強制』(永尾俊彦著、緑風出版)については、以上のような各集会、裁判・報告集会で大阪ネットからご購読頂ければ2000円(税込み2970円)で、あるいは大手書店に行くか、なければ取り寄せの申込みで、もしくは各地域の図書館に購入申し込みの手も。また山田に送り先をご連絡いただければ2000円+郵送代(郵便口座への振込)でお送りいたします。