梅原さん再任用拒否国賠訴訟勝利判決! 「君が代」強制にさらに反撃の一歩を
大阪高裁で「君が代」斉唱時の不起立者の再任用拒否が府教委の裁量権の逸脱濫用として違法との逆転勝訴(12/9)が勝ち取られた。不起立で戒告処分を受けた者が採用を拒否され、同年(17年)に体罰で減給という重い処分を受けた者が採用されているのは合理性を欠くと判断、府に約300万円の支払いを命じている(雇用と年金の接続を図る総務副大臣通知や再任用希望者のほぼ全員が採用されている実情も根拠に)。この判決で、「君が代」不起立者を再任用から排除することははっきりと違法とされ、また、これまで府教委が不起立処分者を差別的に取り扱ってきたことを明確に認めた。
一方、再任用の際に「卒業式等における国歌斉唱時に起立斉唱を含む上司の職務命令に従う」との「意向確認書」については違憲(思想良心の自由)とは認められなかった。しかし17年の大阪ネットの府教委への抗議・交渉の中で、前半の「~を含む」との文言は削除され、実質的には府教委も誤りを認め、不起立者の再任用も実現している。山田肇・井前さんの戒告処分取消しに続く闘いの成果でさらに府教委を追い詰めたい。
岸田内閣の新自由主義と軍拡―「戦争する国」・改憲にストップを!
アベにもスガって発足した岸田内閣は、新自由主義にかわる「新たな資本主義」の看板を掲げた。しかしその「成長戦略」の中心は、デジタル基盤整備で情報が価値を生む新たな市場創出で資本の利潤拡大を図るもの。では「分配戦略」で格差は縮小するのか。看護師や介護士・保育士の賃金引上げも、診療報酬等の算定基準引き上げ、経営者への財源の一部譲渡で実現するとは限らない。480兆円もの内部留保をため込んだ大企業や富裕層の富も分配せず、結局は絵に描いた餅に過ぎない。コロナ対策にしても臨時病院は入院制限前提で、病床削減を進める地域医療構想-医療費削減は継続強化しようとしている。
一方、際立っているのが軍事力拡大。補正予算案として過去最大の7700億円を計上、21年度軍事費は6兆円を突破。沖縄県の辺野古埋め立ての設計変更不承認にもかかわらず工事推進費を計上、対中国の南西諸島の要塞化(自衛隊・ミサイル配備)や「敵地基地攻撃能力」や軍事費GNP2%も。まさに財界と軍需産業への「聞く力」はあるというわけだ。
維新による教育民営化、競争・強制の教育を許さず、共生・人権の教育を!
衆院選では、吉村市長を顔に「身を切る改革」と自民批判をかすめ取った維新は、とりわけ大阪では地方議員を動員して15選挙区で全勝(それ以外は公明が4区全勝)。改憲の後押しと野党分断の動きの中で、新自由主義と公教育破壊の実験場となっている大阪での私たちの闘いは重要だ。都構想やカジノ・万博反対の闘いや競争と強制で悲鳴を上げる現場の声を背負ってきた教育課題での取組みに加え、現場の校長も公然と反対の意を表明するという動きも現出。これらの活動に合流し「戦争する国」にストップをかけよう。