(事務局長:山田光一)

 「桜を見る会」やIR・カジノ疑惑は安倍政権の本質をまざまざと見せつけています。アベが言う「美しい国」の桜を自らの支持の維持・拡大に利用してきた、その根元は腐りきっていたのです。「桜」も「天皇」も「オリンピック」も、莫大な税金を注ぎ込んで自らの支配を維持しながら、「国民統合」・愛国心を鼓舞し(そしてそれと表裏一体なのが排外主義であり、アジア太平洋戦争の正当化・戦後補償の否定・朝鮮学校の無償化からの排除です)、改憲・「戦争する国」への道をあくまでも、推し進める道具としようとするものです。

 2月2日、P3C哨戒機に続いて海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が中東へ派遣されました(活動の拠点とされるのが、アフリカ東部の国ジブチにある自衛隊の「海外基地」)。「海賊対処」と「情報収集」を任務とし、「調査・研究」の名目で、国会での審議もなく、強行。「不測の事態」が発生した場合には、「海上警備行動」を発令し武力行使することが狙われ、中東民衆と自衛隊員の命が危険にさらされます。この間の大軍拡(20年度予算5・3兆円で6年連続の過去最高を更新、5年間で27兆円の軍事予算)、沖縄の「島嶼防衛」を名目とした自衛隊の出撃基地化等がさらに推進されようとしています。

 さらにこの間の新型コロナウィルス肺炎に乗じて、自民・維新は「緊急事態条項」の必要性を唱えています。その狙いは、直近の世論調査でも安倍政権下の改憲に「反対」が46%に上り、「賛成」31%を大きく上回り(1/10~1/13)、国会審議もほとんど進んでいないことへのあせりであるとともに、危機・災害につけこんで市民の意識を誘導しようとする彼らの常とう手段です。その一方で、中国からの避難者や入国船の人々にはけち臭い対応をしようとしているのも、「10年で区切り」、次は復興五輪とばかりに東北大震災や原発被曝者・避難者を文字通り切り捨てようとする彼らにとっては当然のことなのでしょう。

 今やアベは検察のトップにまで意のままに動く人物をすえ、権力をさらに集中しようとしています。そしてマスコミと教育の支配により支配の永続化と「戦争する国」への基盤を築こうとしています。その中で、これまで「日の丸・君が代」強制・処分が教育支配の重要な手段としてされてきました。さらに道徳教育に加えて、東京での年間32時間の「日本人としての自覚と誇り」を強調するオリパラ教育の推進や「天皇奉迎」への小学生の動員、大阪での立泉尾北小学校での天皇即位記念朝礼、府立学校・大阪市立学校での全生徒への拉致問題資料やビラの配布、アニメ「めぐみ」の視聴通知・指示等の教育内容への介入・支配が進められています。

また大阪では、全国学力テストに加え、高校入試の内申点に反映されるチャレンジテスト(さらに大阪市では大阪市統一テストも)などの点数に学校と生徒がランク付けされるとともに、学校教育がこれらのテストを基準に行われることを強制されます。「学校カルテ」(学校評価)、「教員カルテ」(校長・教員評価)「児童生徒カルテ」の作成は、テストの点数のみならず児童・生徒の日常生活・意識までビッグデータとして管理・支配しようとする総務省・文科省の進める「教育の可視化」や「キャリアパスポート」にもつながるものです。それは児童・生徒、さらに市民をまるごと監視・管理・支配しようとするものと言っても過言ではありません。

 このような国家の私物化と大企業・資本の利益をはかる一方で、消費税アップ・社会保障の切り捨て等で、民衆からの搾取を進める安倍政権に対して、これらに抗する市民・労働者・野党が共同する闘いを、今こそ本当につくりださなければなりません。根から腐った政権は倒れるしかありません、否、一刻も早く倒さなければなりません。さらにその中で、平和・人権・共生・民主主義を実現していくために、この政権を支える現在の日本の社会構造そのものをどのように変えていかなければならないかを、ともに考えていかなければならないのではないでしょうか。私たちと子・孫たちが個人として尊重され、自らの個性の実現と多様な人々がともに安心して暮らせる未来を創り出すためにともに頑張りましょう。