堺市教育委員会の条例案についての見解12/8
「大阪府教育基本条例案」に反対するアピール
「大阪府教育基本条例案」に反対するアピール
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私たちは、「大阪維新の会」が大阪府議会に提案している教育基本条例案について、大阪にとどまらず日本社会全体にとって見過ごせない問題であると考え、このアピールを発表することにしました。
私たちは何より条例案が、学校教育を知事及び議会の直接的な支配下に置こうとすることに強い危倶を覚えます。条例案によれば知事は、「学校における教育環境を整備する一般的権限」をもち、府立学校に至っては「教育目標」を設定する権限まで委ねられています。さらに、知事の目標に服さない教育委員の罷免、教職員への厳しい処罰などの教育への権力統制の体系が盛り込まれています。
人間を育てる教育には、教える者と教えられる者との、自由な人間どうしの魂の交流が不可欠です。また、子ども一人ひとりの現実に即した、教員や保護者、子どもを支える多くの人々の知恵と判断が尊重されなければなりません。知事や議会が教育上何が正しいかを決定し、それに異義をとなえる者を排除していくことは、教育の力を萎えさせ、子どもたちから伸びやかな成長を奪うものです。
しかも、学校教育を知事や議会の直接的な支配化におくことは、憲法と法令に抵触します。教育基本法第十六条は「教育は不当な支配に服することなく」としていますが、この文言は、時の権力が軍国主義教育をすすめた過去への深い反省のうえに定められた、日本の教育の大原則です。その結果、地方の教育行政は首長が指揮監督する一般行政から分離され、教育委員会がつくられました。
教育委員会の実態やその行政に不十分さがあることは私たちも知っています。しかしその解決は、教育委員会の民主的な改革に求められるものであり、知事らによる直接的な支配となれば不十分さはますばかりです
私たちはさらに「維新の会」の政治的な手法に危うさを感じています。いったん選挙に勝ったことによって、あたかもすべてを選挙民から白紙委託されたように振る舞うことは、ファシズムの独裁政治を想起せざるをえません。
多くの方々が力をあわせ、大阪府教育基本条例案やそれに類する計画をとめ、子どもの伸びやかな成長のために考えあい話しあい、できることから行動していくことを訴えます。
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【よびかけ人】池田香代子(翻訳家) 市川昭午(国立大学財務・経営センター名誉教授)
尾木直樹(教育評論家) 小野田正利(大阪大学教授) 小森陽一(東京大学教授) 佐藤学(東京大学教授、日本学術会議会員) 高橋哲哉(東京大学教授) 竹下景子(女優) 野田正彰(関西学院大学教授) 藤田英典(共栄大学教授、日本教育学会会長)
【賛同者】浅田次郎(作家) あさのあっこ(作家) 岡刀田高、安斎育郎(安斎科学・平和事務所所長) 池内了(総合研究大学院大学理事) 池田知隆(前大阪市教育委員長) 石坂啓(漫画家) 内田樹(神戸女学院大学名誉教授) 梅原猛(哲学者) 永六輔、大内裕和(中京大学教授) 大原穣子(方言指導) 小川正人(放送大学教授) 奥平康弘、小山内美江子(脚本家) 尾山宏(弁護士) 門脇厚司(筑波大学名誉教授) 窪島誠一郎(作家・「無害館」館主) 小中陽太郎(日本ペンクラブ理事、星槎大学教授) 斎藤貴男(ジャーナリスト) 崔洋一(映画監督) 坂本義和(東京大学名誉教授) 佐貫浩(法政大学教授) 品川正治(経済同友会終身幹事・一般法人国際開発センター会長) 杉原泰雄(一橋大学名誉教授) 杉良太郎、妹尾河童(舞台美術家・エッセイスト) 高畑勲(映画監督)高村薫(作家) 田島征彦、田中孝彦(武庫川女子大学教授) 田中恒子(大阪教育大学名誉教授) 田中康夫(前梅花女子大学教授) 寺崎昌男(東京大学名誉教授) 暉峻淑子(埼玉大学名誉教授) 鳥飼玖美子(立教大学特任教授) 永井憲一(法政大学名誉教授) 中嶋哲彦(名古屋大学大学院教授)野 末悦子(産婦人科医師) 長谷川千秋(元新聞記者) 原田智子(漫画家) 広田照幸(日本大学教授) 広原盛明(元京都府立大学学長) 冨士谷あつ子(評論家) 古田足日(児童文学者) 辺見庸(作家) 本田由紀(東京大学大学院教育学研究科教授) 前田佐和子(前京都女子大学教授) 松本猛(絵本・美術評論家、ちひろ美術館常任顧問) 茂木俊彦(民主教育研究所代表) 森南海子(服飾デザイナー) 山口二郎(北海道大学教授) 山崎朋子(女性史・ノンフィクション作家) 山田洋次(映画監督) 山中恒(作家) 山家悠紀夫(くらしと経済研究室) 渡辺一枝(作家) 渡辺武(元大阪城天守閣館長)
(賛同58名11月17日現在〉
賛同メッセージ
(2011年11月16日時点)
◆安斎育郎(安斎科学・平和事務所長)――教育は人づくりの基本。特定の価値観をもった為政者がそれを押しつけるような暴力は絶対に看過できません。
◆石坂啓(漫画家)――先生たちががんじがらめに縛られているような学校の中で、子どもたちがのびのびと自由な空気を吸えるわけがありません。私たちに直結する問題です。戦前のような教育現場は絶対にごめんです!
◆内田樹(神戸女学院大学名誉教授)――全力を尽くして教育基本条例の廃案を達成して、学校教育を守りましょう。
◆大内裕和(中京大学教授)――大阪府教育基本条例は、教育に対する政治の直接的
支配と新自由主義の貫徹をもたらす危険性をもっています。アピール「大阪府教育基本条例案に反対します」に賛同します。
◆小山内美江子(脚本家)――「大阪維新の会」が府議会に提案している「教育基本条例」によって、大阪には本当の教育者である先生方が脱出を計っているという噂あり、理由は自由に呼吸することをチェックされそうで、そのような所では、子どもたちとのコミュニケーションも出来そうにないということです。維新の会の思い上りが、子どもの教育を歪めそうだと私も心配です。
◆窪島誠一郎(作家・「無言館」館主)――みなさんのかかげた旗に賛同します。旗をはためかせる風になります。
◆小中陽太郎(日本ペンクラブ理事、星槎大学教授)――日本ペンクラブでも元橋下知事の教育委員会無視の思想に抗議声明をしました。またマスコミも、知事・市長対立にわい少していることに抗議します。
◆斎藤貴男(ジャーナリスト)――自由な魂をたたえた人間の存在を認めない条例案など断じて許してはならない。これは人間の尊厳を賭けた闘いだ。
◆坂本義和(東京大学名誉教授)――教育は子どもを芽生えさせるものであって、管理すべきではないと思います。
◆佐貫浩(法政大学教授)――公然と「独裁」を主張するような人物が大阪の自治を牛耳る事態を許してはなりません。教育の自由・子どもの権利を守るためにも反対の声をあげましょう。
◆品川正治(経済同友会終身幹事・一般法人国際開発センター会長)――〝維新の会〟の本質が目に見える形で示されたのが、この大阪教育条例です。こんな条例がまかり通ることに心から憤りを感じ、何とか阻止しないとこの国、この国の教育が狂ってしまいます。
◆杉原泰雄(一橋大学名誉教授)――公教育の内容と方法にかんする憲法上の制約を無視し、かつての失敗を再現するものと気にしています。
◆杉良太郎――維新の会、条例案、断固反対いたします。
◆妹尾河童(舞台美術家・エッセイスト)――独裁的な権限を持った者は、人々を危険な道に追い込む。歴史は過去のものではなく、未来への予言でもある。
◆田島征彦――教育が政治の支配下になることの恐ろしさは、アジア太平洋戦争下で私たちは充分に経験してきた。君が代が充分な議論なしに国歌にきまり、歌うことが強制され始めた今日、この運動はとても大切だと思う。
◆田中孝彦(武庫川女子大学教授)――当事者である子どもと保護者・教職員の自由を尊重し、それらの人々の共同の模索を支えることが、教育と教育学の「公理」であると思います。今回の「大阪府教育基本条例」が、その「公理」を乱暴に踏みにじるものとしか読めません。アピールに賛同し、「条例案」に反対します。
◆寺﨑昌男(東京大学名誉教授)――趣意書の通り。コメントするのも愚かに見える言説です。
◆永井憲一(法政大学名誉教授)――いまこそ「平和で民主的な文化国家」をめざし人類普遍の原理として、それを掲げる日本国憲法を維持、保持する主権者としての発達を教育により実現する必要性が強く求められています。それに反する条例案には反対です。
◆中嶋哲彦(名古屋大学大学院教授)――人間の本質への侵害、人間存在そのものの否定。条例案を廃案にし、他への波及をくいとめたい。
◆野末悦子(産婦人科医師)――大阪府教育基本条例案に反対するアピールに心から賛同します。
◆原田智子(漫画家)――社会の一番の弱者である子供の人権を守ることは、民主主義の基本であると考えます。反動的支配主義に反対します。
◆冨士谷あつ子(評論家)――時代錯誤もはなはだしい。教育へのファシズム的介入です。京都のおとなりの大阪、ヘンでは困ります。
◆古田足日(児童文学者)――子どもと教師の人権を全く無視した危険な考え方、条例だと思います。子どもにはのびのびと育ってもらいたいのに。
◆松本猛(絵本・美術評論家、ちひろ美術館常任顧問)――日本は今、大きな岐路に立っています。自由な教育を守ることは、次代を担う子どもたちを育てるためにどうしても必要なことです。
◆茂木俊彦(民主教育研究所代表)――「大阪府教育基本条例案」は、府知事が各校の教育目標を定めるなど、政治家が教育を支配・介入するのを許す案です。これでは子どもも教師も保護者も政治にふりまわされ、メチャクチャにされてしまいます。絶対に許せない暴挙です。
◆森南海子(服飾デザイナー)――「独断」に気付かず、自己主張を正当化する言動をゆるすことはできません。
◆山口二郎(北海道大学教授)――橋下前知事が推進する大阪府教育基本条例は、学校教育によって単なる官僚組織の部品となる人材を作り出すだけです。こんなものは民主主義とも政治主導とも関係ありません。大阪での無謀な試みを食い止めることは、日本の民主政治のためにも是非必要です。
◆山崎朋子(女性史・ノンフィクション作家)――「大阪維新の会」及びその会が大阪府議会に提案している教育基本条例案について反対です。〈教育〉を含む1930年代から40年代へかけての動きと現代の状況をかさね合わせて、危機感を抱いています。
◆山中恒(作家)――戦前の国体原理主義に基づく教育勅語に基づく教育に、誰も抵抗できませんでした。それを補ったのが治安維持法です。それに似たような教育基本条例には反対いたします。
◆山家悠紀夫(くらしと経済研究所)――戦前・戦中の苦い経験――そこから生まれた教育の政治からの独立という思想は大切にし、守っていかなければなりません。大阪府教育基本条例案は否決すべきです。
◆渡辺武(元大阪城天守閣館長)――橋下徹・前知事率いる大阪維新の会は、大阪府議会過半数獲得を悪用して、君が代起立強制条例を6月に強行可決し、府議会議員定数20削減を強行し、教育基本条例・職員基本条例案を9月府議会に提案。その内容たるやすさまじいもので、時代錯誤の反民主主義、反憲法、独裁政治・管理強制主義を明からさまに表面に打ち出しています。政治・社会・経済の行きづまりに対する国民の不満・不安・不信の怒りを独裁的手法で汲み上げて独裁権力を築こうとする、まさにファシズム的潮流の先端を暴走する危険勢力です。油断することなく断固たる包囲反撃を!
大阪維新の会「職員基本条例」案及び「教育基本条例」案についての声明
2011年10月27日
大阪労働者弁護団
代表幹事 大川一夫
大阪維新の会府会議員団は、大阪府議会に「職員基本条例」案及び「教育基本条例」案を提出した。
両条例の問題点、違法性は枚挙にいとまがないが、憲法、地方公務員法、教育基本法など既存の法体系を無視し、公務労働者と教員を市民の「敵」に仕立て上げて攻撃の対象とし、自治体職場と学校現場を破壊しようとするものである。
免職に関してみれば、職員基本条例は、5回の職務命令違反又は同一の職務命令に3回の違反があれば直ちに免職とする。また、人事評価においては、全員の序列をつけ5%の職員を最低評価とし、最低評価が連続した場合は分限免職の対象とする。さらに過員が生じたとき分限免職の範囲を著しく拡大して大人員整理を推し進めようとしている。しかし、免職には厳格な要件があり、労使交渉なしのこのような機械的一律処分、大人員整理は地方公務員法に反することが明らかである。
教育基本条例は、職員基本条例と同様の機械的一律処分、大人員整理に加え、知事の教育への政治的介入を制度化し、学校現場をその独裁下に置こうとするものである。学力テストの点数のみを教育の目標として矮小化し、相互に競わせる。このような知事の方針に従わない教育委員の罷免、校長の任期付任用を通して、結局は教育現場の末端まで独裁を押し通そうとするのである。
また、教育基本条例の制定理由とされている大阪における学力問題は教育現場のみの責任ではない。その背景には高い生活保護受給率に象徴される経済的、社会福祉的問題がある。これらは正に府民の生活の安定や福祉の向上を図る施策をなすべき知事の政治責任において知事が解決すべき問題であり、教育現場のみに責任があるかの如き教育基本条例の在り方は、府民に責任の所在を誤解させ、教育を選挙のための票集めに利用するものである。
両条例案の廃案を強く要求する。
教育基本条例案に対する教育委員の見解
今回の教育基本条例案が提起されて以来、私たち教育委員は困惑と苦悩の中で、大阪の教育の発展の道筋を求め、さまざまな議論を行ってきた。教育制度の構築には、本来もっと多くの時間をかけ、各界の広範な意見を集め、しかるべき手続きを経るべきと考える。しかし、教育基本条例案が選挙の争点となるという切迫した状況下、私たちは教育委員の責任として、一つの見解を出さざるを得ない。私たちの見解は次の通りである。
「教育基本条例案は白紙撤回されるべきであり、修正の有無は関係なく、これが可決されれば、私たち教育委員は総辞職する。」以下、その理由を記する。
1、私たちは、憲法・教育基本法を柱とする現行教育法令を尊重する。
私たちは、現行法令のもとで知事ともよく話し合い、学力向上や教育機器の整備、学校給食制度づくり、府立高校の特色づくりなど様々な成果を上げてきた。もちろん、まだ残された課題も多い。例えば、学校運営への住民参加などもある。しかし、それらについては国のガイドラインがあり、これらを無視し勝手な制度設計をすることは、現行法令の考え方に反する危険性がある。その他、条例案で提起された問題についても、現行法またはそこに示された理念に即して、教育委員会が更なる改善を進めることが可能であり、今後も力を尽くして解決に当たるべきと考える。
2、私たちは、教育という全ての子どもたちにかかわる根本的な重要課題を、短期間の審議や選挙で決めるべきではないと考える。
私たちは府立高校の特色化を進め、それぞれの子どもたちが自分に適した力を伸ばし、たくましく生きる方策を学ぶように図ってきた。しかし、今回の条例案は、大阪府の教育の責任者である私たちの一切知らないところで準備され、その理念の根底には「競争主義・管理主義」が貫かれている。競争・管理を一面的に追及することによって教育の質が向上しないことは英米の教育改革等で既に立証されている。したがって、この条例案の現場に与えた衝撃はすさまじく、校長や教師に激しい動揺が起きているのも当然である。
また、選挙は多様な政策によって民意が問われるものであり、比較1位を争う首長選挙で、政策の一部である条例案の評価を決定するのは無茶としか言いようがない。
3、私たちは、今回の条例が生み出す教育委員会の無力化、教育と政治の一体化を認めるわけにはいかない。
今回の条例案の議論では、個々の条文に対するものが多いが、もっとも問題なのはこれら条文をつなぐ骨組みにある。修正の有無にかかわらず総辞職するという理由は、まさにそこにあるのであり、以下、条例案に沿ってその骨組みを呈示する。
条例案においては、「府立学校が実現すべき目標は知事が設定する」(第6第2項)とされ、その目標を前提として校長が公募される(第14条第1項)。校長は教師でなくてもよく、教育活動に支障がなければ民間人で別の職業を持っていていい。任用期間も短く、学校関係者でない「外部有識者」の考えで選ばれる。教職員は、校長の指示に忠実に従い競い合うように働かなければならない。なぜなら、分限対象者になるかもしれない相対評価があるからである(第19条第1項)。こうして、全ての府立学校を知事の意のままに動かすことも出来るようになる。
さらに、このシステムを強固にする仕組みを読み取ることもできる。例えば、知事は学校環境を整える一般的権限があり(第6条第1項)、自分の考えで自由に決めることも可能である。したがって、意にそぐわない校長の学校に予算をつけない場合も生じると考えねばならない。
また、学校協議会に関しては、保護者や教育関係者の意見を反映するのはいいが、その委員は校長が決める(第11条第1項)ことになっており、校長の支持者となりやすく、特定の住民の代表になりやすい。
加えて、校長の権限強化は教職員人事で完結する。校長の意に沿えない人事を教育委員会がした場合は議会への報告が義務づけられている(第18条第3項)。権力の源泉は、予算権と人事権と言われるが、この条例案により、教育委員会はこれらを失い、まさに知事の補助機関となる。
それは現行法制下の教育委員会が壊滅することであり、教育は政治そのものの一部となりかねない。そして条例制定後は、選挙ごとに教育方針が変わる。学校関係者は知事の意向や選挙の動向を絶えず気にしなければならず、政治の流れに過敏となり、校長に近い外部団体の影響が強まったりする状況が生じうると懸念される。
上記のとおり、本条例案はその内容のみならず、枠組みそのものが政治の介入を厳格に戒めようとする教育基本法や諸法規の精神に反するものである。そして、この条例案は、教育の条例と言うより日本の統治原則の変更を迫る意向を含むといえる。したがって私たちは、本条例を決して是とすることができない。
強く大阪府民のご賢察を額う次第である。
平成23年10月25日
大阪府教育委員会
教育委員長 生野 照子
教育委員 小河 勝
教育委員 川村 群太郎
教育委員 陰山 英男
教育委員 中尾 直史
府立高校PTA協議会嘆願書
平成23年10月19日
大阪維新の会 様
大阪府立高等学校PTA協議会会長・副会長・書記・会計・幹事・会計監査
嘆願書
先日来マスコミ報道で大阪の「教育の場」が慌ただしく報じられております。
「大阪維新の会 大阪府議会議員団」の「教育基本条例案」についてです。
私たちも大阪の子どもを府立の学校に通わす保護者として、この条例案を何度も何度も読み返してきました。
この条例案を読めば読むほどに条例案の改善・撤廃をお願いしたく府高PTAの役員総意の元で作成しました。当然、私たちは政治について意見を言うつもりはありません。
ただ、政治の道具であってはならない「教育の場」です。
子ども達が大人へと成長(自立)していくことはやがて「大阪の未来を豊かに」することとなります。どうか、こころ暖かく考え接し見守っていただきたいと思います。
多くの人たちによってまとめ作成しました嘆願書です。
よろしくお取り計らいのほどお願いいたします。
1. はじめに、私たちの生活上で聞き慣れない、言いなれない言葉があります「努めなければならない」この言葉をいろいろな方々に解説を尋ね聞きました。
非常に強制力のある文言のように思います。不快な気持ちにさせられました。
「児童生徒の保護者も、部活動を初めとする学校運営に参加するなど、主体的に積極的な役割を果たすよう努めなければならない。」
当然、愛する子どもたちです。少しでも子どもたちと接したいと思うのは私たちだけでは無いと思います。ただいくつかの問題点があります。
ご存じのように経済が今までにない程の不景気で家族を守ることが至難の時に、まして変動しての勤務時間帯の中どうして計画的に学校に通うことが出来ますか?部活は週1回?子どもが2人・3人いたら?介護を必要とする家は?
(わが子可愛さで参加した場合)ここでは運動部について集約してお話しします。
(1)子ども(生徒)は高校生です。運動部についてそれ相応に過激で高等なレベルです。指導?技術?責任?教育?保護者はどの部分に参加?主体的に積極的に何の役割を努めなければならないのかお教えください。
(2)(1)の指導・技術は自分の経験等で事が成せるかもしれません。ただし若さの残っている体力のある保護者に限られます。
(3)現在、府高P事務局(138校)から毎日のように部活での怪我の報告があります。
単なる怪我(一週間完治)程度ならよしとしても、補償問題・裁判沙汰等はあり得ないのでしょうか? この時の責任は・・?
(4)部活動は学校教育の一環として認識しておりました。大人への成長していく中で共に目的意識を持ち協調性を持っていく中での部活動は楽しい青春時代を送るなかでも勉強・友だち・と同じく大事なことと認識しています。
(第10条)の文面
2. 「保護者は、学校教育の前提として、家庭において、児童生徒に対し、生活のために必要な社会常識及び基本的生活習慣を身に付けさせる教育を行わなければならない。」
学校に通わせる前に社会常識?もしくは基本的生活習慣を? 私たちの高校生時代は悪さもし、色々な方々から叱咤激励され今日があります。でも、それは私たち以外にもたくさんおられると思います。(花壇に種をまき直ぐに葉・花を咲かせることが出来る花は優等生? 時間がかかったり結果がおぼつかないのが劣等生?)
先日ある学校の特別支援教育の状況を見てきました。発達障がい、アスペルガー症候群、ADHD、他人とうまくコミュニケーションのとれない子どもたちどうしたらよいのでしょう?ちょっとした問題行動でさえ、親が責められていくのでは・・。
私達は子どもの持っている色々な芽を柔軟にみつけ育(はぐく)み育(そだ)てることが最も大事な教育と思います。
保護者と学校の関わりは、非常に大事と考えますが、でもこうなると、私たちの仕事・ここの家庭の事情がどうしたら良いと?私たちの年齢の中には親の介護の方も数多くおられます。また、保護者自身が、部活動に協力出来ない場合を考えますと保護者同士の格差が生じトラブルに発展していきます。他にはPTA予算を通しての外部団体に委託するという方法もあります。当然相当な高額になっていきます。
大阪は庶民の町です。いろいろな意見があるからこそ「おおさか魂が栄えた町」と考えます。橋下知事の一方向だけが『大阪の教育』と決めてしまうことはこわいことです。
以上、保護者にとってこの条例が通ったら、どんなことになってしまうか。「こんなんやったら、あほらしゅうて、ウチの子を大阪府立高校に行かせるのはやめとこか」「部活動に入らさんとこか」といった気分が強くなっていくことが多々見られると心配です。
未来の大阪の教育をキチンと選択して子どもたちの可能性を広げていっていただきたいと強く強く思います。
「JCJ声明」 私たちは「大阪府教育基本条例案」「職員基本条例案」に反対します
公務員が何よりも依拠すべきは憲法の精神です。憲法は公務員を「全体の奉仕者」、つまり、その時々の首長や多数与党の奉仕者ではなく、国民・住民の奉仕者であると定めています。
ところが、橋下徹知事率いる「大阪維新の会」が大阪府議会に提出した「教育基本条例案」「職員基本条例案」は、上からの職務命令に従うことを求め、従わない者には懲戒処分で臨むとしています。命令を絶対的なものとした軍隊のような恐怖政治が進むことにならざるを得ません。
また、この2条例案ともに、人事評価を5段階にし、最下位の評価を下される人の割合を5%と決め、2年連続で最下位の評価を受けた人には「免職または降任」の分限処分を課すとしています。こうした能力競争万能主義は、教育の場はもちろん公務の場にはもっともふさわしくないものです。
憲法は戦前の軍国主義教育の反省から、教育への政治介入を厳しく戒めていますが、橋下「維新の会」は、教育に対して公然と「政治が関与すること」「首長が公立学校の実現すべき目標を定め」ると主張しています。4月の府議会で橋下「維新の会」が、内心の自由を奪う「君が代起立条例」を数に物を言わせて強行採決したように、教育の場に戦前のような国家主義的色合いをつけた教育観が持ち込まれるのは火を見るより明らかです。
橋下知事に任命された府教育委員全員がこの教育基本条例案に反対し、府教育長も明確に異論を唱えています。
「再び戦争のためにペン、カメラ、マイクを取らない」と決意し、「自由な言論を守り、自由な社会を実現する」ことを目指して活動してきた私たち日本ジャーナリスト会議は、「今の日本の政治に必要なのは独裁」「教育は2万%強制」などと公言してはばからない橋下知事に少なからず危惧の念を抱いてきましたが、それを条例という形で実現しようとする企てを看過するわけにはいきません。
私たちはこの2条例案に反対し、その撤回を求めます。今こそ立場の違いを超え、「2条例案ノー」の声を全国から上げましょう。
2011年10月17日
日本ジャーナリスト会議