府立学校教職員のみなさん
2月17日、府立高校教諭・梅原聡さんは、校長から「再任用は否になった」と告げられま した。梅原さんは、3月末の定年退職を前にして、4月からの再任用を希望していたのです。 私たちは、以下の理由で、梅原さんへの再任用不合格は全く不当なものであると考えます。 そこで、大阪府教育委員会に対して、梅原さんへの再任用不合格取り消し、4月からの再任 用を求めるため、緊急署名を始めました。これは、梅原さん個人にとどまらず、再任用制度 や公正な採用選考を根底から揺るがす問題です。ぜひ、みなさんのご協力をお願いします。
再任用制度は「希望者全員採用」が原則
現在の年金制度では、定年退職しても年金支給は数年経たないと始まりません。そのため、 政府(総務省)は「雇用と年金の接続」のため、「再任用を希望する職員については再任用 するものとする」という通知を全都道府県に出しています(2013年3月29日付)。不 合格にできるのは「免職」相当の問題があったときだけとも例示されています。
梅原さんの再任用不合格は「違反質問」によるもの
今回、再任用審査会での「選考」直前、校長は府教委の指示を受け、「再任用選考に関連し た意向確認」として「君が代の起立斉唱の職務命令に従うか、はい・いいえで答えよ」と梅 原さんに訊きました。梅原さんは就職試験の際に「思想信条に関わるような『違反質問』に は『答えなくてもよいと学校に指導されています』と生徒に指導していることを念頭に、「生 徒にも指導しているので、このような質問には答えられない」と返答しました。すると校長 は「意向確認できなかったことになる」として、その旨府教委に報告しました。
府商工労働部も「違反質問」として府教委に「改善要請」
私たちが商工労働部に相談したところ、商工労働部は「このような質問は就職差別につなが る恐れがある」として、教職員人事課に対して「再任用選考の直前にこのような質問をすべ きでない」という改善要請をおこないました。しかし、教職員人事課は「民間の就職試験で は思想良心を問う質問をしてはいけないが、(大阪の)公務員は条例があるから質問しても いい」と開き直り、梅原さんを再任用不合格としたのです。
梅原さんの再任用実現を
梅原さんは、2012年、2014年の卒業式で「君が代」斉唱時に起立せず、それぞれ戒 告処分を受け、裁判で処分撤回を訴えています。また、「君が代」斉唱に関連して、府教委・ 校長による人権侵害を保護者・卒業生らとともに大阪弁護士会に申し立て、昨年3月、弁護 士会から府教委・校長に対して「君が代強制は人権侵害」という勧告が出されています。 府教委による再任用不合格は、全員採用が原則である再任用「選考」において、教職員の思 想信条を合否の判断材料にしているもので、到底許されません。私たちは、梅原さんの再任 用不合格に強く抗議するとともに、4月からの再任用を求めていきます。
2017年2月 「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク(代表・黒田伊彦)
梅原さんを支援する会
大阪ネットでは、3月17日、梅原さんの再任用を実現させるために集会を予定して います。ぜひご参加下さい。(18時30分から、エルおおさか709号室にて)